文章は書く前に8割決まる・上坂徹著

文章は書く前に8割決まる・上坂徹著 書評
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良い文章ってどんな文章でしょうか。

伝わる文章でしょうか。

人を動かすのがよい文章でしょうか。

そんな答えを期待してこの本を読み始めました。

『文章は書く前に8割決まる』印象的な言葉

『文章は書く前に8割決まる』上坂徹著には、作者の経験が、ふんだんに語られています。

印象的な言葉はこれでした。

「そうそうそれが言いたかったんだ」「なるほどそういうことだったのか」「これは面白い、勉強になった」と読み手に思わせるのが良い文章というくだりです。

まさしく、本書を読み終わった時に、私は、「そうそうそれが言いたかったんだよ。なそういうことなんだよ。」と、膝を叩いていました。

ブログやSNSなど現代は、いろいろな場所で、文章を書き込むことが多くなりました。

どうやったら読んでもらえるのか?

良い文章とはどんなものか?

文章術というものに興味を持っている人も多いかと思います。

ネットメディアでの情報発信

私もWebメディアへ15年以上、文章を書いてきて、それなりの文章術や、私の経験上での方法論というものが出来上がっています。

『文章は書く前に8割決まる』上坂徹著には、そういったものとクロスするところ、共感できるところが多々ありました。

私の文章経験は、ネットショップのWEB構築から始まり、セールスライター、メールマガジンの発行、商品レビュー文章の作成、旅行ブログなどプライベートなブログ記事の更新など、主に、Webメディアの記事を雑多に経験してきました。

ほぼ毎日、どこかに、何らかの文章を投稿しています。

文章術のノウハウ本と言えば、私の世代で勉強してきたのは、ビジネス分野ですが、神田昌典やダン・ケネディなどのマーケディング系の本でした。

小説を書くわけではありませんので、主に販売促進を目的にしたビジネス文章といったところでしょうか。

言語化ずるプロフェッショナルの

今回、読んだ『文章は書く前に8割決まる』は、出版社で働いているライターさん、編集者さん向けの内容として書かれています。

しかし、Webメディアの文章作成においても大いに刺激的な内容でした。

上坂氏は、多くのインタビューを重ねて著名人の本を作り上げてきた方です。

一般的には「ゴーストライター」と言われていますが、氏は、「ブックライター」と自称しています。

著名な人物は、必ずしも文章の能力があるわけではないので、その生い立ちや経験を出版物とするのには、それを、言語化するプロフェッショナルが必要です。

上坂氏は、ブックライターとしての経験を数冊の本にまとめられています。

その一冊がこの『文章は書く前に8割決まる』上坂徹著です。

何のために書くのか、だれに向けて書くのか

文章とは、何のために書くのか、だれに向けて書くのかということが大切であり、文章の目的と読み手がはっきりすれば、いい文章が書けるといいます。

そのためには、読ませたい相手は、誰なのかを徹底的に想像してみるという主張が中心に流れています。

読み手のターゲットが、はっきり定まっていると、良い文章が書けるということです。

これは、WEBメディアの商品レビュー記事やセールスライティングでも同じです。

ペルソナというやつですね。

WEBマーケッターとして、私たちが、記事を書くときに、商品の対象とするお客さん像を設定します。

そこから、その人の生活や悩みなどを想像して、設定した人に向けての文章を書きだすようにしています。

上坂氏の文章術でも全く同じです。

上坂氏曰く、「読んでもらえる文章のためには、見出しから始まり、ボディコピーに徹底的にこだわること、冒頭の文章から一気に読ませる流れを作り、気がついたら全部読んでいたという文章」を作るといいます。

まさしく、これは私たちマーケティング文章を作成している人間から言うと、セールス文章の作法です。

例えば、カメラの商品説明記事でも、カメラのレンズや仕組のスペックを淡々と説明してもつまらない説明になります。

売れる文章というのは、その商品を買った後のお客さんの未来の生活が想像できるようにすることです。

このカメラを手にすれば、簡単にプロ並みの写真が撮れるとか、かわいい子供の写真が、ママさんにも、写真館で撮ったような仕上がります。

などと想像してもらえるような説明ならば、お客さんは、商品が気になりだして、欲しいという感情を抱き始めます。

これを、商品の対象とするお客さんへ、ベネフィットを伝えるといいます。

自分に関係がありそうと思ってもらう

どんな文章でも、ターゲットを絞り込んで、一目で自分に関係がありそうと思ってもらえれば、読まれる文章になります。

そうなるためには、読み手のペルソナを深く深く考え、

その人の生活状況はどうなのか、

今、何に悩んでいるのか、

どんなコンプレックスがあるのか、

今日の朝、何が起きたのか、

仕事が終わってどうしているのか、

家族との仲はどうなのか、

友人関係はどうなのかと、

想定した人の生活や人間像に想像を膨らませて、

その人に語りかけるような文章が書けると、

伝わる文章であり、良い文章となります。

「読み手を想像する」というのは、『文章は書く前に8割決まる』の一貫した主張です。

相手を徹底的に思い浮かべて文章を書く。

読み手の置かれている状況を考えることを、作者は、「相場感」を持つと表現されています。

文章というのは、目的に向かって、相場感を頭に入れて、伝えたいことのリストを書き出し、最終的な結論をはっきりさせ、これを紙に書いて眺める。

こうすれば、論理展開ができる文章が書けるといいます。

そして、それを誰かに喋って聞かせるにはどうするかと考えれば、伝わる良い文章が書けるという考えです。

文章術的な細かなテクニック的なことも多少書かれています。

起承転結は無視する。

形容詞はできるだけ使わないようにして、具体的な内容で想像させる。

数字を積極的に意識する。

文章はできるだけ短くする。

文法は、リズムでOK。

などなど、まだまだたくさんのテクニック的こともまとめられています。

そんなテクニック的なことよりも、やはり、作者の主張は、文章は想像力で決まり、読み手をどれだけイメージできるかに尽きるということです。

文章が書けるようになるために必要なことは、徹底して読み手を想像する力ですと言い切っています。

多くのライターさん、ネット上での情報発信をしている人に、大いに役に立つ本かと思います。

きょうからの記事作成に勇気が湧いてくる本でした。

著者の上坂徹さんありがとうございました。

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