収益の仕分けをします。
2024年11月27日に5743円のGoogleアドセンス10月分が確定しました。
8000円以上で過去の分も合算振込されます。
この仕訳入力はどのようにしたらいいですか?
収益の計上には「いつ」「いくら」確定したかを正確に記録することが重要です。
特にGoogleアドセンスのような「入金サイクルが不定期」で「最低支払い基準額がある」収益については、現金が入る前に収益を計上する処理が必要になります。
Google AdSense収益の会計処理マニュアル:確定日と入金日の違い
Google AdSenseのような広告収入は、一般の商品販売とは異なり、収益が確定する日と、実際に銀行口座に振り込まれる日が異なります。
この時間差を正確に記録するために「売掛金」という考え方を使います。
1. 収益計上の基本的な考え方
【原則】収益は「確定した日」に計上する
会計では、お金が手元に入ってきた日(入金日)ではなく、その収益を得る権利が確定した日に、収益として計上しなければなりません(発生主義)。
Google AdSenseの場合、収益を得る権利が確定するのは、Googleからの確定通知(翌月上旬の明細確定)があった日です。
日付の種類 | AdSenseの場合 | 会計上の処理 |
収益確定日 | Googleから「10月分の収益が確定しました」と通知が来た日(例:11月27日) | 収益を計上する日(売掛金として記録) |
入金日 | 銀行口座に実際にお金が振り込まれた日(例:翌々月の21日頃) | 売掛金を回収する日 |
2. 使用する勘定科目の解説
今回の仕訳で使う主要な勘定科目は以下の通りです。
勘定科目 | 分類 | 意味 |
売掛金(うりかけきん) | 資産 | 「確定したが、まだ回収していないお金」を一時的に記録するための科目。将来お金を受け取る権利を示します。 |
売上高(うりあげだか) | 収益 | 会社の主な事業活動から得られた収益。ウェブサイト運営の場合、広告収入がこれにあたります。 |
普通預金 | 資産 | 会社の銀行口座の残高。 |
3. 【ステップ1】収益確定時の仕訳(権利の計上)
10月分の収益 5,743円が、11月27日に確定したとします。
この時点でまだお金は入っていませんが、「将来もらう権利(資産)」は発生しているため、売掛金として計上します。
日付 | 勘定科目(借方) | 金額 | 勘定科目(貸方) | 金額 | 摘要 |
2024/11/27 | 売掛金 | 5,743 | 売上高 | 5,743 | AdSense 10月分収益確定 |
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借方(左側): 売掛金(資産の増加)を計上します。この売掛金は「Googleから将来もらうお金」として、銀行入金まで帳簿上に残ります。
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貸方(右側): 売上高(収益の発生)を計上します。これで10月分の収益が、確定した日付(11/27)で正しく計上されました。
??最低支払い基準額(8,000円)の取り扱い
Google AdSenseは、「残高が8,000円に達するまで振り込まれない」というルールがあります。
これは入金(資金)に関するルールであり、収益の計上(会計)に関するルールではありません。
したがって、今回の5,743円は、たとえ8,000円に満たず振り込まれなかったとしても、確定した時点で全額を収益(売上高)として計上する必要があります。
4. 【ステップ2】入金があった場合の仕訳(売掛金の回収)
翌月以降の収益も合算され、合計が8,000円を超えた後、銀行口座に12,000円が振り込まれたとします。
この入金日(例:12月22日)に、「売掛金」の残高を消し込み、普通預金が増加したことを記録します。
日付 | 勘定科目(借方) | 金額 | 勘定科目(貸方) | 金額 | 摘要 |
2024/12/22 | 普通預金 | 12,000 | 売掛金 | 12,000 | AdSense 10月分~11月分の入金消込 |
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借方(左側): 普通預金(資産の増加)を計上します。銀行の通帳残高が増えます。
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貸方(右側): 売掛金(資産の減少)を計上します。ステップ1で計上した「もらう権利」が実行され、帳簿上から消えます。
この処理で、売上計上と入金処理のすべてが完了し、帳簿上の売掛金残高が正しくゼロになります。
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